カテゴリー別アーカイブ: 対談

丹沢病院

スペシャル対談

対談のお相手

理事長兼院長 川口 陽太郎先生

―まず、丹沢病院の理念についてお聞かせください。
「当院の理念は『寛之宝(優しさと寛い心で人に喜ばれる医療を目指します)』です。患者さんを大切にし、病院の考え方や方向性を理解して、みんなと意見を一にして一緒に行動していくことが大切だと考えています。」

―丹沢病院はどのような患者を中心に診ていますか?
「特に多いのは『統合失調症』『躁鬱症』。『認知症』も増えています。合併症患者も多いですね。薬物患者は基本的に受け入れておらず、アルコール中毒患者もほとんどいないです。薬物・アルコール中毒については、県の依頼で他の病院と輪番制で受け入れることもあるが、大抵専門の病院を紹介します。また、症状が多岐にわたる人格障害患者も基本的には専門の病院を紹介する形をとっています。」

―丹沢病院の特徴は何ですか?
「合併症患者を広く受け入れていることでしょうか。神奈川県は合併症患者に対する理解は進んでいる地域であるが、それでもまだ偏見などもあって他の一般病院ではなかなか受け入れてもらえないのが現状です。しかし当院では即時対応ができます。急性期の患者やかなり困難な症状の患者の場合もいったん受け入れて、症状について判断した後、大学病院などに搬送する手続きをとります。」

―合併症患者への受け皿となって、広く患者を受け入れているのですね。院内には合併症患者専門病棟があり、精神科で診ているということですが…
「元々私自身が内科医で、かつ現在は精神科の指定医でもあるので、内科医が常駐できているんです。ストレスから来る内科的疾患と精神科に関わる疾患の境界はなくなりつつあるので、両面の観点から治療にあたれると思います。」

―精神科への偏見がまだまだ根強い中でそのような運営に取り組んでいる病院は数少ないですね。しかし、病院が直面している問題点はやはりあるのではないですか?
「長期療養をしている患者にとってはもはや病院が生活の場となってしまっていて、病院では、経済的にその維持が困難になりつつあります。ゆくゆくは急性期の患者を徐々に受け入れてもいきたいが、やはりメインは統合失調症や認知症、そして合併症の患者です。現在、精神科は常勤の指定医4名に非常勤の先生がいる、という構成ですが、病棟の形態の変化や多様化を検討していくためにも、常勤の医師をもっと増やしたいですね。」

―なるほど。では最後に、丹沢病院の求める人材についてお聞かせいただけますか。
「非常勤の場合得意分野での治療にあたってもらうことが多いのですが、その人が辞めてしまうと新しく引き継いだ人の治療方針に変わった結果、治療法の継続が難しくなることがあります。しかし常勤の場合、その先生の診療方針に合わせて患者を任せることができます。だからこそ、ぜひ常勤の先生を希望します。また、常勤の方には夜勤などもしていただいて、病院の運営状況を一層理解してほしいです。昔と比べて、病院に対する帰属意識の薄い人もやや増えているように思いますが、やはり先生は病院の『柱』。先程も申し上げたように、病院の理念と共に歩んでくれる人、一所懸命さや熱意の見える人が望ましい。どんどん動いてくれて、職員を引っ張っていってくれる人に来てほしいです。」

丹沢病院は、私が学生時代に相撲の合宿でお世話になった病院である。創立者も現理事長(創立者のご長男)もともに慈恵医大の相撲部のOBである。
何といっても精神科の患者にとって厄介なのは、合併症を起こしたときであろう。一般社会人より医療関係者のほうが、彼らに対しての偏見の目が強い。そんなときの受け皿としては、最高の病院と言える。

院内には合併症患者専門病棟があるし、元々は院長も内科の専門医であるので、各臓器の専門家が常勤でいるのが強み。現代のストレス社会では、内科と精神科の垣根がなくなりつつあるので、身体と心の両面を勉強したい若い医師には、最適の病院と言える。
若いときにはぜひこういう病院で、病気だけをみないで、その患者の人間、人生全体をみる訓練を積んでほしい。
職員の意識も大変高い。

医師・ジャーナリスト 富家 孝(ふけ たかし)

当院について

名称 丹沢病院
理事長
兼院長
川口 陽太郎
病院理念 「寛 是 宝(かん これ たから)」
優しさと寛い心でひとに喜ばれる医療をめざす。
基本方針 恵まれた自然環境の中で患者様が心身共に癒される病院作りをめざす。
新しい時代の人権意識と誠意を持って患者様中心の病院作りに努める。
地域社会の期待に応え地域に貢献する病院作りに努める。
人としての成長を心がけ職種間の連携を大切にしたチーム医療を推進する。
専門職としての倫理に基づき知識と技術の向上に努める。
外来受付 診療時間
1.精神科
月曜~土曜
受付 午前9時~11時30分
診察 午前9時15分~12時
 
2.内科
月、火、水、金(午前あるいは午後)
事前に問い合わせが必要

3.精神科デイケア
月、火、水、金(週4回)

病院職員 245名(非常勤を含める)
病床数 精神一般 196床/精神療養 157床/痴呆療養 59床
合計 412床
TEL 0463-88-2455(代)
HP http://www10.ocn.ne.jp/~tanzawa/
診療科目 診療部
医局 常勤医6名、非常勤医16名(精神科医17名、内科医4名、皮膚科医1名)
丹沢病院で対応できない、手術等必要な患者は秦野赤十字病院、くず葉台病院、聖マリアンナ医大病院、東海大病院、地域の開業医の先生方のお世話になっている。

栄養管理室
16名。一日約1200食。
①365日朝昼晩3食を1食もかかさず提供し続ける
②長期療養患者が多いため食事に楽しみを付加させながら栄養管理を行う
③衛生管理を確実に実施する

作業療法室
OTR 8名、OTA 1名、デイケアOTR 1名、痴呆疾患療養病棟OTR 1名、
精神入院OT 7名
患者が自分らしく主体的で生き生きとした健康的な生活を送るための、リハビリテーションを行っている。

規則正しい生活リズムを身につけること
楽しみを見つけ、充実した生活にすること
運動不足を解消すること
気分転換をはかること
集中力をつけること
人とふれあう機会を増やし、対人関係・協調性を高めること
自立性、活動性、主体性を高めること
自分にできることを確かめ、自身につなげること
業務内容は園芸やカラオケ、陶芸教室、料理教室など。

デイケア
精神科医師、看護師、臨床心理士、作業療法士、精神保健福祉士の各1名
合計5名
入院せずにいる人が様々な事情により、仕事に就けなかったり生活上不都 合があったりした場合に、生活リズム、基本的な生活習慣を身につけながら社会参加を目指す。
長期目標「社会復帰を促し、活気あるデイケアにする」

臨床心理室
臨床心理士2名(常勤、非常勤各1名)
心理アセスメントとして心理検査、心理面接を心理療法としては集団療法、カウンセリングをしている。その中の集団療法には5つの種類がある。
1)集団精神療法
2)遊戯療法
3) 回想法
4)音楽療法
5)SST(生活技能訓練)
今後の方針:精神科リハビリテーションとしてSSTを外来や各病棟で行うこと

臨床検査室
臨床検査技師1名(診療放射線技師が交代でやってくる)
検体検査は外の検査センターに任せ、主に患者に直接する生体検査を行う。

看護部
看護職員数158名(看護師37名、准看護師67名、看護補助者54名)


新津医療センター病院

スペシャル対談

対談のお相手

院長 豊島 宗厚先生

1

院長(以下・・院)
「ますます経営が厳しくなっていく中でどうやって生き残っていくか。それは1にも2にも自分たちの守るべき人たち、この新潟市という地域をどう考えるか、に懸かっていると思っています。
まず挙げられる事は圧倒的な高齢化率で、当然優遇率が高くなる。65歳以上が26%くらい、そういった高齢者たちが病気を持っているのは当たり前、という状況をどう管理していくか。入院か外来かあるいは養護的なものが必要なのか」

富家孝(以下・・富)
「なるほどね、私が新人だった頃12万5千人だった医師が今は26万人いる。その代わり地域偏在している。だから都心部でない所にどう人を集めていくか。それには病院の特色を出していかないといけない。この地域の『良いもの』を再発見したり作ったりしていかないといけない。例えばここの特色である周りの自然をどう取り込んでいくか、花や緑がある環境で何を売り込めばいいか、という基本的な考え方っていうのが座っていた方がいいのかもしれません。

院:「新潟市は広域化された政令指定都市ですから(2007年より)、みんなが残っている地域として位置づけられています。その中で街にいる人たちがホッとできるような場所として、例えば植物園なんかを作っていますし、美術館も良い所に作ってあります。そういうところで、家族連れで楽しんでいただく」

富:「なるほど」

院:「それに今は所謂健康ブームですけども、健康食品の研究ということで薬科大を中心に研究所を建てて、いくつかの企業が入っています。これらは直接医師に関係があるという事でもないですが、医師が地域性を知る上での一つの前向きな情報です」

富:「なるほど、新潟市も大学も地域の活性化に努力しているんですね」

2

富:「今医師は何名いますか?」

院:「現在常勤が10名ですね」

富:「やはり新潟市から通ってくる先生が多いんですか?」

院:「殆どのドクターは新潟市から通っていますね。道が整備されていますから、新潟からは30分です。病院側のバックアップとして、ドクターにはそれだけの距離を通ってもやれる体制にしてきた、というのがあります。30分かけて帰ったドクターを急患で呼び出すようなことは考えていません」

富:「外来の総数は一日でどれくらいですか?あとベッド数は?」

院:「1日の外来患者数は全体で250名。ベッド数は170です。診療科は内科・外科・小児科・整形外科・泌尿器科以上が常勤ドクター。あとは新潟大学から来てもらっている医師は神経内科・皮膚科・眼科・循環器内科・放射線科というのが今のスタッフ体制ですかね」

富:「それで救急車が入ってくることもありますよね?年間どれくらいですか?」

院:「400件くらいですね。もちろん救急車も、老人を全てとるわけにもいかないですから、各病院と協力して、出来るだけとる体制を取っていますし、消化器病に関しては100%とるようにしています」

富:「ここの後方病院のメインというのはどこなんですか?」

院:「新潟の主たる病院ですね、大学病院や市民病院です」

富:「そういうところとは連絡を密にとっている、という感じですか」

院:「そうですね、また地域医療の連携化を深めるために「地域連携協議会」という会がありまして、今年で4回目なんですが、例えばケアマネージャーを中心としたケアカンファレンスや地域連携パスについてなど、多岐にわたり協議しています」

3

富:「ここは常勤が10名いらっしゃるんですか。いいですね」

院:「まぁ10名もいるというか10名しかいないというか」

富:「いや10名いらっしゃるんでしたら結構な数ですよね」

院:「まぁお年をとられたベテランドクターもいますし、それとは別に小児科の先生が2名。あとうちは地域の消化器科を担っていかなければならない」

富:「消化器科が多いということですね?」

院:「周りでそういう消化器科をやっている専門医院が少ないから必然的にうちがやっていかなければならない。消化器科をやっている開業医は2件。非常に寂しい状況ですね。うちで消化器科での入院や1次から1.5や2次診療くらいまではカバーできている。それに積極的に参加してもらえるドクターが欲しいですね。やっぱり消化器科としてきちんとした治療を行っていかなければならない」

富:「一つの柱として消化器科なんですね」

院:「そうですね。そして次の柱として老人医療ということですね。ま、主流は消化器ですが。幸いな事に、大学の消化器内科、消化器外科が可能な限りバックアップをしてくれる。ただ人は出せない。常勤としての人は出せない。そういう状況です」

富:「消化器科というのは、メインは外科ですよね」

院:「そうですね、肝臓とかなら内科で扱うべきだと思いますけど、やはり外科的なものが背景に控えていてくれないと、思ったようにはできないですね。それからその延長とも言えるのですが、消化器をやるなら栄養ですね。これに至らないと足元を掬われてしまう。老人医療と消化器医療との懸け橋、土台、基礎の部分でつながっているのが栄養です」

富:「なるほど」

院:「それで平成16年8月からNST(Nutrition Support Team)栄養管理サポートチームを立ち上げてやっています。コアメンバーは10名。私と消化器外科医、消化器内科医、小児科医、看護師ですね」

富:「その人たちは常勤でやってるんですか?」

院:「常勤で週5日ですね」

富:「老人医療ってのは、メインは消化器ですよね?」

院:「そうですね。圧倒的に多いですね」

富:「呼吸器はどうですか?」

院:「呼吸器も多いです。75歳以上の老人の死亡率で一番多いのは肺炎ですからね。ですから呼吸器科のドクターが欲しいですね」

富:「呼吸器の先生はいらっしゃらないんですか?」

院:「いないですね。ですから我々はこの5年間色々勉強して、バックアップするだけの体制をとろうとしています。例えばこの病院の肺炎で一番多い起因菌は何か。一番効く抗生物質は何か。これを知りたくて感染対策チームを作ったんですよ。それを参考にすれば無理なく消化器科のドクターでも対処できますし、効率的な薬の管理もできる。自分の思うままに『今回はこれを使ってみようか』というような非合理的なことはしなくてよい」

4

富:「最近は病院同士で交流しているところもよくあるんですよ。例えば心臓外科なんかでも神奈川県の大和成和病院と北海道の大野病院と新東京病院と、とか。そういう計画は?」

院:「この病院がとるべきポジショニングを考えたうえでやっています。例えば老人療養期というのを一つの部署として受け入れて、その後自宅へ帰すなりする。そういう中間的な施設みたいなことはやっています。そのような取組みのおかげで、消化器科に関しては周りから認知されるようになりました。しかし病院間の連携はまだですね」

富:「受け入れを交換できるようなそういう形はできていない?」

院:「そういう意味では、新潟県自体が閉鎖的かもしれません。例えば内視鏡の処置が出来ないので大学から一時的にドクターを派遣してもらう、それこそ2時間とか3時間とか」

富:「ここには内視鏡の専門の先生はいらっしゃらないのですか?」

院:「いえ、3名おります。ここは消化器病の研究施設にもなっていますし、外科も認定施設になっています。ここでのキャリアが専門医へ直結となるんです」

富:「なるほど、研修制度も変わりましたからね、4年間研修をして、これから実施をしていく若い医師は、それぞれこれからどういう所にいこうかっていう考えがあるわけですよ。位置づけとしては、消化器っていうところでやりたい人が自由にやる、という位置づけですかね」

院:「ええそうですね。それから外科のドクターは少し不足しているのですが、複数人いるところは時間的にゆとりを持たせていますね。消化器科のドクターは3人いますから、ほとんど任せられます。学会に出たい、休みがほしい、当直は業務が少ない日にしたい、といったことも出来ます」

富:「そうしたら実質的には3名~4名で当直を回しておられるわけですか」

院:「そうですね、4名が当直で1名が日直だけ、という形ですかね。あと大学からくるので、5名ですね」

5

富:「新潟大学からは結構いろいろバックアップが?」

院:「そうですね、各科そういうバックアップは受けていますね」

富:「しかしほんとよくこれだけ常勤がいらっしゃいますね」

院:「なんとか20数年で。(笑」」

富:「医療は設備だとか機械だとかよくいう人がいますけど、医療の場合は医者がいるということが財産ですからね、それが結果一番の設備投資といいますか。そこに一番力を添えてないと結局ダメなんですよね。いくら機械があってもそれを使う人(やる人)が問題ですからね」

院:「そうですね。どんなにいい器を作っていい機械入れても医者がいなけりゃ閑古鳥です。そうすると患者に還元できない」

富:「消化器の手術は年間どのくらいなんですか?」

院:「消化器だけでしたら120症例くらい。それもある程度限られたものです」

富:「それは常勤の先生が1人でやっておられるわけですね?」

院:「いや、これも大学から助教授が来たりする場合もあります」

富:「なるほど」

院:「ですからたくさん手術をしたいとか、難度の高い疾患に触れたいとかになると、圧倒的に大学病院になりますね。若くて特殊な病気に罹っているという人たちも我々は扱いません。大学病院などに回します。また特殊ですが、チームを組んで細かいところまで診るとなると限られてきますし、そういうスタッフになれる人も限られてきます」

富:「一般的に、一番医者としてジェネラルなものも含めて実力をつけたいという人や、4年間終わって、老人医療とか消化器を中心にやりたい方にとって、ここはとてもいいですね」

院:「そうですね、しかもそれでいて孤立はしていませんよ、というところですかね」

富:「老人医療を嫌がっているようじゃ医者として世の中生きていけませんからね。これからの一番大きな分野ですから」

院:「やっぱり70、80歳でもまだまだ長生きしたいとみんな思ってますからね(笑)」

富:「そうでしょうね、そういう意味では日本の人口動態を一番表している地域かもしれないですね」

6

富:「ここは医療トラブル(訴訟)がおこったことはありますか?」

院:「幸いにもまだありません。ただいつ来てもおかしくない、という緊張感は常にありますね」

富:「ではいい形で運営されてきているんですね」

院:「そうですね、常々思っていますが、医療の基本として、信頼関係を患者さんといかに築き上げていくか?というのがありまして、それは今のところうまくいっているのかな?と。しかし臨床の中で、注射の一刺しから患者さんにチェックを受けている。という印象はありますね」

富:「患者の目が厳しくなれば、人気のない病院は淘汰されていく時代になったという事でしょうね。悪い噂はネットであっという間に広がりますしね。現に、アメリカなどでは現実に医師が失業しているようです。シカゴあたりでは元医師が現在はタクシーのドライバーという話もあります」

院:「そうなんですか?」

富:「アメリカはご存知のとおり訴訟大国なので医事紛争が一度起こると非常にお金がかかる。そのために掛ける保険も当然高いので、儲かっていないところは払えない。つまり廃業転職となる。
アメリカのような極端な訴訟大国に日本がすぐになるとは思えませんが、日本でも医療事故はすぐ報道されますし、責任追及のための訴訟はもっと増えてくると思います。そうなった際、日本の医師はどうなるのか?というのがありますね」

院:「医師免許にあぐらをかいた、不勉強なドクターはやめてもらっていいと思いますけどね」

富:「現在、医師は2万6千人いますけど、これからはどうなるのか分からない。でも今もっと深刻なのは歯科医師の方ですよ。都市部の歯科医師はあきらかに過剰ですから」

院:「今はいろんな大学があって、医師や歯科医師で溢れていますけどね。そういう医師がどんどん雇ってくれと来てくれるのが夢なんですけどね」

富:「医者の失業時代がくるのは早いと思いますね」

院:「あと20年ももたないかもしれませんね」

富:「もたないと思いますよ。医療の人は失業時代が来ないと思っていますけどね」

院:「しかし来るように思えないんですよね。ずっと言われ続けていたけど」

富:「それは医師が偏在しているからそう思うだけであって」

院:「そしたら東京あたりから溢れてくるんでしょうか」

富:「ええ、溢れてきますよ。そのときに選別しなければならない。というのがありますよね。その選別のときにどうするか、と考えたときに、ポイントが3つありまして、多重債務の人。病気で入退院を繰り返している人。薬物などの常習者。そういう人はネットなどでエントリーしてきますから、その時点では分からないんですよ」

院:「どうやって見分けているんですか?」

富:「それこそが私の強みで、いろいろなオフラインのネットワークから情報を集めてくるんです」

院:「医師時代からの人脈ですね」

富:「そうですね、医師でありながら医師の転職紹介やジャーナリストとして活動をしている人は私以外いませんから」

新津医療センター病院の特色は多面的に地域との連携を作っている点であります。
ひとつはこの地域の医療福祉連携協議会を立ち上げ、定期的な運営委員会を主催している点。
もうひとつは「新潟薬科大学」との連携を介して新潟バイオリサーチパーク構想における支援であります。
何といっても高齢社会における時代の先取りの発想がすばらしい。
地域医療にかける若手医師には是非挑戦してほしい医院である。

医師・ジャーナリスト 富家 孝(ふけ たかし)

当院について

名称 医療法人社団 健進会 新津医療センター病院
院長 豊島 宗厚
基本理念 社会の人々の健康を守ることを基本とし、医療・保健・福祉にわたるサービスを提供して相互信頼を高め地域社会に貢献する
病院行動
基本方針
1.優しさと、思いやりを大切にする病院
1.職員間の強調を高め、明るく活気のある病院
1.情報開示をすすめる病院
1.医療水準の向上をめざす病院
1.経営安定のもと、施設の充実をはかる病院
許可病床数 一般病床126床/療養型病床48床
TEL 0250-24-5311
HP http://www.niitsu-mch.jp/
診療科目 内科・神経内科・循環器科・泌尿器科・小児科・外科・整形外科・皮膚科・眼科・歯科・口腔外科・リハビリテーション科・心のケア外来
◎人間ドック・各種健診

医療法人梨香会 秋元病院

スペシャル対談

対談のお相手

精神科医長(副院長) 林 博俊先生

―まず、秋元病院の基本方針をお聞かせください。
「秋元病院のテーマは『チーム医療』と『地域貢献』です。ここは、精神科が基本ではありますが、他に内科や整形外科などの一般科外来も備えた総合病院です。精神疾患だけではなく身体合併症も考えて身体疾患の治療も独立してやっているので、精神科に限らず内科も全般に診られます。また一般科には各種の健診や検査などにも対応しており、地域の皆様の健康維持に尽力しています。」今後は『疾病予防』も我々にとって大事なテーマです。

―それでは、精神科の特徴についてお聞かせいただけますか?
「精神科領域の治療は全般に行なっています。中でもアルコール依存症の治療は専門のプログラムと病棟を持ち、開設当初から力を注いでいます。入院形態はできるだけ開放病棟の形をとっていて、患者に対しては院内で自助グループ活動を行うなど、退院後の社会復帰に関しても指導しサポートする体制を作っています。入院中よりも退院後のフォローをしっかりとやっていかないといけない、と考えますので、このような活動を行っているのです。」

―精神科ではどの範囲の症状まで対応していますか?
「精神科に関しては、ケースバイケースだが基本的に大体の症状は受け入れます。ただ、対応プログラムのない薬物濫用者は受け入れづらいです。黙って抜け出して薬物を使ってしまったり警察に見つかったりなど様々な問題を起こしてしまうためです。しかし、本人の治療の意思しだいでは受け入れています。また薬物以外にも問題の多い場合も受け入れがたいです。人格障害に関しては、急性期は受け入れて対応するものの(受け入れがたい場合は)人格障害を専門に扱っているところへ依頼しています。」

―救急外来があると聞きましたが、精神科にも救急外来はありますか?
「精神症状の急激な変化などは対応します。ただ、精神症状が急性期にあって、かつ身体症状もある、というのは対応しきれないのが現状です。多量服薬など、命に関わるようなことはここでやれることは限界がありますので、救急隊に状態を聞いてすぐ近くの救急病院へ取り次ぐという形をとり、その後意識回復することがあればこちらで診るようにしています。患者さんにとってはそれがベターと考えていますから。当院は、ある程度精神症状が慢性期になっている場合に、十分機能を発揮できる病院と言えます。」

―ここは内科や整形外科もある充実した精神病院ということですが、各科での連携はあるのですか?
「それが当院の特長のひとつです。精神疾患があって服薬中の方、あるいはこれから服薬しなければならない方は、外来でも入院でも、最初から内科と精神科と一緒に診ています。精神科で入院される方にも内科的検査をして症状を把握し、症状に応じて各科の医師が駆けつけます。急変時は診療科の垣根を越えて治療を行います。合併症などを含めても、設備や連携の面でかなり充実していると自負しています。」

―患者への治療に際して、重要なことは何でしょうか?
「やはり家庭などの協力が大切ですね。精神科への通院以前に、家庭などの問題の根が深いものもあります。だから、患者本人だけでなく家庭・会社にも協力を求めて、治療に参加してもらっています。しかし一般の方の偏見はやはりまだずいぶんあり、そのために十分な治療が受けられず、場合によっては亡くなる方もいらっしゃいます。偏見を持たずに相談・来院してほしいですね。」

―最後に、どのような医師に来ていただきたいかお聞かせいただけますか?
「まず、常勤の方にできれば来ていただきたい。週2~3回くらい非常勤の先生が来るというのが日本の大半の精神科の現状ですが、それで十分に疾患が診られるかどうかは疑問が残ります。常勤のちゃんとした先生がいて、診られる体制が重要だと思います。また、常勤希望の方には、『心』と『身体』の医者という理念を持ってきてほしいですね。また、ドクター間に特に偏見が残っているという問題があります。今は『メンタルヘルス』が重要視され、外国からのそういう流れなどには日本は敏感ですぐ取り組んでいるものの、表面的になり内容を伴っていないのが残念です。もっと一般の先生に、実際の精神科について理解してほしいですね。当院は普通に入れるので、もっと自由に見学に来ていただいて、やってみようと思ったら入ってもらう、というので構いません。ぜひ一度実際に来院して見ていただきたいですね。」


対談を終えて

秋元病院の院長・秋元豊先生はまさに信念の人である。
地元の大学との関係にも耐えながら、今日のグループを築きあげた人である。
病院を回ってみて気がつくことは、職員みんなが大変積極的でやる気充分であることである。
いわゆる精神病院のイメージを払拭するために、日夜努力しているようだ。院長のポリシーが隅々まで行き渡っている。

アルコール中毒の患者がメインではあるが、家族病棟を作るなど、入院中よりも退院後のフォローに着眼している点が興味深い。
これからの医療は、情報開示が求められる中で社会性が問われてくるはずである。
そういう意味で、精神科を専門として将来社会還元を目指している若手の医師には、こういうところで修行してほしいものである。

医師・ジャーナリスト 富家 孝(ふけ たかし)


当院について

名称 医療法人梨香会 秋元病院
院長 秋元 豊
外来受付 診療時間
月曜日~土曜日
午前 9時~12時/午後 13時~17時
(日曜・祝日は休診、急患は随時受付)
許可病床数 精神科286床/内科70床
TEL 047-446-8100(代)
HP http://www.akimoto-hospital.com
診療科目 精神神経科
アルコール依存症、総合失調症、そううつ病、認知症、児童思春期、摂食障害、解離性障害、パニック障害、注意欠陥多動性障害 等

心療内科
不眠・ストレス、それらによる体調不良 等

内科
高血圧、糖尿病、胃潰瘍、肝硬変、生活習慣病、健康診断 等

整形外科
上肢の外科 等

リハビリ科
整形外科疾患、精神疾患、パーキンソン病、脳血管障害 等による身体運動機能の低下

放射線科
CT・MRIによる頭部、胸部、腹部、脊椎等の撮影検査 等

皮膚科
白癬金(水虫)、にきび、肌荒れ等の一般的な疾患、じょくそう、糖尿病などの内臓疾患による皮膚科疾患 等

歯科
一般歯科、小児歯科、予防指導、歯周病疾患の処置、口腔外科、知覚過敏、ホワイトニング 等






医療法人梨香会
・秋元病院
・秋元クリニック(東船橋)
・北松戸メディカルクリニック
・鎌ヶ谷訪問看護/介護ステーション
・北松戸訪問看護/介護ステーション
・居宅介護支援事務所(鎌ヶ谷・北松戸)